Eclipse を使わない Android アプリ開発メモ ー 環境構築
概要
筆者はとてつもなく Eclipse が嫌いです.とても良いIDEだと思いますし,多くの人に使われている実績があります.しかし,筆者だけの環境かもしれませんがとにかくクラッシュしまくってとてもではないですが作業になりません.普段は Emacs/Vim + make ですべて済ましてしまうので,これだけ重く,そして(無駄に)複雑な環境に筆者はイライラしてしまいます.もちろんIDEは効率を押し上げてくれる素晴らしいもの(多くに人は特にcompletionが・・と主張しますが,実はEmacsもVimもあるいは他のエディタも素晴らしいcompletionをしてくれます.ただし設定に手間を惜しまなければですが.個人的にIDEの素晴らしさは,依存関係を自動的にうまく処理してくれることにあると思います.)だと思いますし,コンパイラ・リンカの煩雑なオプション,Makefile のハックから解放されます.しかし,こういったIDEを使うことは(場合によっては)効率性を上げる一方で, コンパイル・リンクについての作法・知識を得る機会を失うため,Android アプリケーションの開発に限らず,少なくとも一度はEclipseのようなIDEを使わないで コンパイル・リンクの流れを学習するべきだと思います.という無駄に長いまえがきをしてみましたが,ここでは Android アプリケーションを Eclipse + ADT 環境を使わず作成することを目指していきます.
注意
この文章は2011/12/31に書かれています.時間の経過と共に情報の信頼性は失われます.最新の情報とは異なる場合があります
あくまで個人的なメモのため情報の信頼性に乏しいかもしれません
前提
このページの情報はある程度知識のある方が読まなければわからないかもしれません.
また Platform は Windows を前提としていますが,ここにある情報だけで十分他 Platform での運用も可能だと思います.
準備するもの
- Android SDK - http://developer.android.com/sdk/index.html
- Java Development Kit (JDK) - http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html
- 適当なエディタ
- ckw(+cygwin) (オプション.だがあるととても便利)
- Apache Ant - http://ant.apache.org/
Android SDKのインストール
インストールとは書いたものの,まずはzipを適当に展開するだけ.ここでは仮にD:\android-sdk に展開したものとし,以下${SDKROOT}と記します.
APIのインストール
以上の作業だけでは関連ツールはインストールされましたが,Platform APIと呼ばれるAndorid API群はインストールされていません.そこで,${SDKROOT}にあるSDK Manager.exeを起動します.(ところで余談ですが,未だにファイル名中の空白を取り扱えないアプリケーションがありますね.そもそも空白入れるなという話もありますが)
SDK Manager.exeを起動したら必要なAPIを選択するわけですが,必要なものは「Tools」と自分のターゲットとするAPIのバージョンが最低限必要です.ここではToolsと現在主流 となっているAndroid2.3.3(API10)を選択することにします.
選択した後に,Install n packages ボタンでインストールが開始・・・の前にライセンス確認があります.よく読んでから,Accept all を選択して続行します.このAPIのダウンロードにはとてつもなく時間がかかります.色々バージョンを試したいとこには寝る前に開始することをお勧めします.莫大なファイルサイズなわけではなく単にサーバーが混雑しているためだと考えられます.
JDKのインストール
特筆すべき点はありません.ダウンロードしたファイルを実行してインストールを進めてください.ここではC:\Program Files\Java\jdk1.7.0_02にインストールされたとし,${JDKROOT}と以下記します
Apache Ant のインストール
Apache Ant はコンパイル~リンクに至るまでの一連のプロセスを自動化するためのツールです.make と同様のものですが,make でいう,コンパイル~リンクの一連のプロセスを記述しているMakefile的なものを Ant では xml で記述します.詳しくは Google で検索すると良いと思います.
Apache Ant を使う理由ですが,Android のツールが自動で作成してくれるツールが build.xml というコンパイル~リンクの一連のプロセスを記述するファイルを自動生成してくれるからです.もちろん Makefile を作成しても可能ですし,Maven というツールでも可能です.が,ここでは Ant を使う前提で話をすすめることにします.
インストールですが,特筆すべき点はありません.ダウンロードしたファイルを適当なディレクトリに展開するだけです.ここではD:\apach-antに展開したものとし,${ANTROOT}と以下記します.
環境変数を設定する
PATH
以下へPATHを通してください.
- ${SDKROOT}\tools
- ${SDKROOT}\platform-tools
- ${ANTROOT)\bin
JAVA_HOME
JDKを適当に利用するためJAVA_HOMEを以下のように設定してください.
- ${JDKROOT}
ADV (Android Virtual Device) の構築
ADVの作成
次にADV(仮想端末)を構築しましょう.ADVは ${SDKROOT}/ADV Manager.exe を使って構築することができます.ADV Managerを起動したら,New を選択して新規端末を作成します.
Newを選択して現れるダイアログで設定を行いますが,特に重要なのは target で,この設定により仮想端末がサポートするAPIのレベルが決定されます.他に name, 液晶サイズ,マウントするSDカードのサイズを設定して,Create AVD から端末を作成します.ちなみに最初の画面のEditから編集も出来ますので,まずは適当に作成してみてください.ここでは,target として Android 2.3.3 (API10)を選びました.
仮想端末の起動
起動は簡単で,ADV Manager.exe 上から作成した端末を選択して,Start で実行できます.しばらくすると(時間かかりますが)立ち上がってきます.(一瞬SDLappとみえるのでSDLでVMは作ってあるのでしょうか)
作成したADVとの通信
ADVと通信するには,adb.exeコマンドを使用します.adb はADVだけでなく,実機との通信にも使用します.さて,ここでは起動した仮想端末が認識されているか確認するため,以下のコマンドを実行してみてください
> adb devices
筆者環境では以下のように表示されました.
List of devices attached emulator-5554 device
ここまでで,環境の構築はひと通り終了です.お疲れ様でした.